楓香樹

苗族(ミャオ族)にとって神様の木とされる楓香樹。神樹にまつわるあれこれをご紹介します。

楓香樹と楓

楓香樹は「楓」の字が使われていますがカエデとは異なります。カエデはカエデ科カエデ属ですが楓香樹はマンサク科フウ属であるなど、学術的にも違いは明らかなようです。街路樹としてよく見かけることも多い植物す。

楓香樹にまつわる物語

この樹の種は東方の天上の家で大地が生み出した。しかし祖母のニュウシャンが偶然に種の家を焼いてしまたために、火は古い3つの儀礼と規則を破壊し、「古代の書」をも焼いた。種は東へ川を渡り、シャンリャンがその種を探し当てて西方の大地にまき、水牛とともに田畑を耕した。(中略)シャンリャンは木々を山の裾に植えた後、植物を池の脇に植えて魚が育つようにした。やがて木々の中から巨大な楓香樹が現れる。楓香樹の下には恋愛する者が集い、池の魚を御馳走として食べてしまった。シャンリャンは楓香樹が魚を盗んで食べたと非難し、賢者が招かれて擁護したが、楓香樹は結局は伐られてしまった。伐られたときに出た大鋸屑は魚、木くずは蜜蜂、樹芯は蝶々、芽は蛾、瘤は木菟(みみずく)、葉は燕や高く飛ぶ鷹となり、こずえは二股に分かれて風にそよいでジーウィという鶺鴒になった。

参考:鈴木正宗『ミャオ族の歴史と文化の動態  中国南部山地民の想像力の変容』 台江県の伝承より

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