創世神話

苗族(ミャオ族)に伝わる創世神話は地域によって様々。ここではその一部をご紹介します。

苗族の始祖伝説蝶々妈妈

その昔、楓香樹から虫が生え、やがて虫は蝶になった。蝶々は水辺に行って川の水泡と恋愛し、樹に12個の卵を産み付けた。卵は鶺宇のジーウィ鳥が三年半もの間辛抱強くあたため続けた。やがて12個の卵は、黄色い卵からは人が、白い卵からは雷神が、黒い卵からは水牛が、まだらの卵からは虎が、灰色の卵からは象が、紅い卵からはムカデが、藍色の卵からは蛇が生まれたという。

卵の数や卵が孵るまでの年数、卵から出てくるものの内容などは地域によってバリエーションはさまざまです。

関連モチーフ:蝶・楓香樹・鳥・雷・水牛・虎・蛇

苗族の洪水神話

人類の始祖のチャンヤンと雷公は家の所有物に関して争い事があり二人の仲は険悪になった。怒った雷公は洪水を起こすことになるが、チャンヤンは三日三晩待ってくれと申し入れて、急いで瓢箪を植えた。三日経つと瓢箪は大きくなり、チャンヤンはそれに乗って洪水を乗り越えた。洪水が引いた後、チャンヤンとその妹だけが生き残った。「二つの臼を山から転がして二つが一緒になったら結婚しよう」と誓ったところ、二つの臼は見事合体し、二人は一緒になった。やがて二人の間に子供が生まれたが、それは肉塊だった。その肉塊を九つに切り刻んで九つの山に撒いたところ、それらの肉片は人間に変わりたくさんの人々が現れた。

関連モチーフ:雷・雨

参考:鈴木正宗『ミャオ族の歴史と文化の動態  中国南部山地民の想像力の変容』 いずれも台江県の伝承です。

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