矢田の小さな神社を取材!後編をお届けします。
西部にひっそり佇む、実はすごいお稲荷さん「西徳稲荷社」
2つ目にご紹介する神社は、これまた矢田屋から徒歩2分程度のところにある「西徳稲荷社」。こちらも個人宅の敷地内にあります。
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今から400年前、隆盛を極めたこの地域の地主さんが自らの守護神として祀ったのがはじまりだそう(当時の地元紙より。1990年2月9日の柏崎日報)。
もとは名のない神社だったそうですが、30年ほど前の再建の際に新たに名付けられ「西徳稲荷社」になりました。
班名である「西部」の西と、長岡にある宝徳山稲荷大社から徳の字を分けていただき、この名になったそう。「矢田の西部にある、徳を分けてもらった神社」ってことですね。
再建計画から完成までわずか1ヶ月…!急ピッチの工事
西徳稲荷社の再建秘話をお話してくださったのは、現在この神社の管理をしてくださっているスケシロウさんちのおばあさま(以下Mさん)。「その当時の話を出来るのはとうとう私一人になってしまったねえ」と話すMさん。大変貴重な機会です!
神社再建のきっかけは、ある日Mさんが山へ登った際に斜めに傾いている神社を目撃したことに始まります。
「あのまんまにしとかんない」ということでまずは旦那さんに相談。そこから近所の協力者2名を得て、作り替えよう、という話に。
神社の再建にあたり、スケシロウさんたちは長岡にある宝徳山稲荷大社の神主さんに「どうしたらいい?」と相談に行きます。
その時に神主さんからは「お前たちがやらないで誰がやるんだ」というお言葉を頂いたそう。
それもそのはずで、スケシロウさんは大工、ほかのお二人は土木と左官屋さん。立て直しには最適なメンバーが集まっていたのでした。
続いて神主さんは完成日を指定。どうやら土地をかまっていい期間と悪い期間があるらしく、神社の再建はかまっていい期間のうちに済ませる必要があるそうで…。
神主さんが指定した期日は相談日からわずか1ヶ月。この時季節はなんと冬の1月。ここから怒涛の神社再建計画が動き出したのでした…!
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雪の中の神社再建
宝徳山稲荷大社に相談に行ったのは1月半ば。
そこから新たな場所決め(割愛しますが、とても苦労したそうです)や設計計画などを作成し、1月後半にいよいよ地ならしからスタート。以下は当時の作業スケジュールです。
怒涛の作業スケジュール
1/27~31 地ならし、階段作り、ブロック積み、足場作り (重機を入れられるような場所ではなく、当然手作業)
2/1 お祓い 2/5 建前
2/6~8 屋根、土間のレール ここまでで建物自体は完成(すごい)!
2/9 神移し(元あった場所から新しい場所に石の祠を移します。体を清めてから、一切喋らず行うというとても神聖な作業)
この日に完成祝が行われ「夜遅く迄盛大に行い、感謝と喜びを分かち合う」様子だったそう。
「何が何でも完成させなくては」という、スケシロウさんたちの強い意志がひしひしと伝わってくるスケジュールに、私自身聞いていてとてもハラハラしました(笑)。
作る建物はそれほど大きくないとはいえ、季節は冬。当然雪があることを想像すると、いかに作業が大変だったかがわかります…。
Mさん曰く「若かったからできたことだよねえ」とのことでしたが、目に見えないパワーが後押ししているような、そんな力すら感じさせます。
こうして、神社は無事に完成し、名もなき神社は「西徳稲荷社」として再興したのでした。
なんとこの年の秋は大豊作だったそう。神様も喜んでいたことが分かりますね!
ここまで詳しく伺えたのは、Mさんの旦那さんが手書きで残した記録があったからこそ。スケシロウさんご家族も「記録があったのは知ってたけどこれまで見ることがなかった」そうで、今回のインタビューの際に私も一緒に拝見させていただきました。
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やっぱり神様は身近なところにいる
Mさんの息子さんは毎月2回の神社の掃除とお詣りがもう習慣になっているそうで、「神社は一度祀り始めたら代々面倒見続けないと大変なことになる」のだとか。
以前、叔父さんが頸椎を痛め、それがなかなか治らなかったことがあったそう。
その時に「そういえば最近神社の掃除をしていなかったような…」ということを思い出し、そこで神社の上から下まできっちりお掃除をしたところ、2~3日後に叔父から「最近腰の調子がよくなってきてさ~」という連絡があったそうです。
このエピソードを聞いて、神様ってやっぱりいるんだなあと思ったのでした…!
実は身近な出来事に深く関わっている神様の存在。大切にしないとですね。
西徳稲荷社、実際に行ってみた
西徳稲荷社は毎月1日と15日がお詣りの日となっているそう。そんなわけで私も15日にお詣りに行ってみました。
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Point①真っ赤な鳥居が神社の目印
西徳稲荷社の目印はこの赤い鳥居。神社再建の時に建てたものは木でできていたため傷んでしまい、現在のものはまた新たに作り直したものであるそう。屋根よりも高い位置にあるので、紅い鳥居は遠くからでも目を引きます!
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Point②好条件の場所に建てられた社
こちらが急ピッチで建てられたという社ですが、見た目にはそんなことを全く感じさせません。
凄いのは中越地震や中越沖地震という2度の地震を乗り越えてきた点や、周辺の土砂崩れの被害にも遭っていない建物である点です。
神社再建時に宝徳山稲荷大社さんの神主さんに場所の相談に伺った際、神主さんは矢田に来たこともないのに、設計図を見ただけで情景を言い当てていたのだとか!そんな神主さんのアドバイスをもとに今の場所に決まったそうです。
いまだ健在なのは、やはりここが好条件の立地である証ですね。
Point③蠟燭を立ててお詣り
社の扉を恐る恐る開け、いざお詣り。…の前に蠟燭を立てます。これは親元の宝徳山稲荷大社が蝋燭祈願の神社であることに関係しています。5色にはそれぞれ意味があるようです。ちなみにお稲荷さんはお酒と油揚げがお好きなんだそうで、私は栃尾の油揚げをお供えしてきました。
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苔生した階段、とてもいい味出ています。
さてさて、矢田の小さな神社・後編はいかがでしたでしょうか^ ^
2つの神社の取材を終えて、まずは矢田屋にある神棚の榊を変えなくては、、と決意を新たにしたヤマダ(後日ちゃんと替えました)。
日頃感謝の気持ちを伝えていないと、いざって時には助けてもらえませんよね。
そんなわけで、矢田と矢田屋の繁栄のためにも、矢田屋の神棚に毎朝手を合わせる習慣をつけようと思ったのでした。
それでは次回のきまぐれニュースもお楽しみにです♪
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矢田の小さな神社を見たい時は
しんめさん(前編参照)も西徳山稲荷大社も個人宅の敷地内にある神社です。
いずれの神社も訪問の際は事前に協力隊山田までご連絡くださいm(_ _)m
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