学生時代に亮布を光学顕微鏡で見てもらったことがありました。
光学顕微鏡で見るとすごいんですよ。。その時の感動たるや…!繊維の状態が細密にわかるので亮布表面で起こっている「ブロンズ現象」の理解がぐっと深まります。
ということで今回は現地亮布とヤマダ亮布(学生制作ver.)を光学顕微鏡で比較した時の話。
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光学顕微鏡で見たのは現地の亮布と当時の自作亮布(今から5~6年前に晒布で制作)。
日本の苗族刺繍コレクターさんからご提供いただいたもの。
きめ細やかな光沢感がとっても素敵。
学生時代、卒業研究で亮布を制作した時に作ったもの。
顕微鏡で観察したのはその試作段階のもの(これよりもさらに光沢が弱かった)。
はじめの亮布は私の亮布コレクションの中で一番質がよく(こちらが無理を言ってお譲りいただいたもの…)、ご提供くださった方曰く北京で購入されたそう(いつかは不明)。なんとなく侗族の侗布っぽい気がしています。
一方で比較対象となったのは学部4年時に制作した自作亮布。
卒業研究の試作で作った亮布で、色味も光沢も現在の自作亮布よりだいぶ劣ります…笑
この2つを試験場に持ち込み、いざ観察!をお願いしたのでした。
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まずは縦糸断面。
繊維の太さに違いがあるとはいえ、現地の侗布(以下侗布)は本当にまったいら。うっすら見える薄い青が横糸だと思うのですが、横糸もぺったんこです。いかに繊維を潰して布表面を平滑にしているかが分かります。
一方自作亮布は(ピントが定まってなくて分かりづらいですが)、侗布よりも布目が粗い晒布ということもあって、糸の接合部分に大きく隙間があり、繊維もひらぺったくなく布表面が全く平滑でないことが分かります。
続いて横糸断面。
侗布はやはり密度高め。自作のほうはやっぱり糸間がスカスカですが、繊維への染液のしみこみ方は似ています(光の反射具合から)。
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続いて布表面。
自作亮布は布の織り目が分かりますが、侗布は四角いブロックが整列し、一見布には思えない感じ。いかに布の織り目の隙間に染料が入り込んでいるか(しかも均一に)が見て取れます。
そして侗布の方はなんだか…スクエアタイプのスワロフスキーに似てる!と思ったのは私だけでしょうか。笑 四角いブロックがきれいに並んで、表面反射が本当にきれい。
200倍の侗布は布の繊維状態が分からないくらい染料が布表面をコーティングしています。しかも見事に毛羽立ちがなく、自作の布と並べるとかなり顕著です。かなり強く圧縮を掛けて繊維を潰したんだな、という感じ…。
自作亮布も加工したとはいえ、自作の方はもはや未加工の布というかんじ。笑
2つの布の繊維の太さとか布の密度の違いはもちろんあれど、ここまで布表面が平滑になること、かつ均一に染料が塗布されているのは人間業とは思えません…!恐るべし、少数民族の手仕事…!!
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以上が光学顕微鏡で見た亮布でした。
比較対象の学生時代の布は今作っている布に比べたらだいぶ技術は劣るのですが、それでも敢えて拙作を光学顕微鏡できちんと観察したことで、学生時代のヤマダはブロンズ現象の仕組みだとかがかなりよく理解できました。
現在の布はその頃よりはレベルアップはしているとは思うものの、まだまだ現地の布には到底及びませんね。。(いつか現地に滞在して学びたい、、!)
今シーズンの布作りは終わりましたが、きっと来年も懲りずに作っている気がします。
暑い中での作業は疲れた、しんどいとは思いつつも、なんやかんや布作りは好きなんだよなあと感じる今日この頃です。
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