続・『鶴と亀』のこと

亮布以外

昨日2月11日は大好きな我が祖父の誕生日でした。

毎年この日になると「あ、今日じいちゃんの誕生日だわ」というふうに思い出したります。

祝おうにも今はお仏壇に手を合わせることぐらいしかできないのですが、忘れないことが大事なんじゃないかということで(笑)、毎年心の中で「おめでとう」と言っています。

そんなわけでかなりのおじいちゃん子だったヤマダ。

インスタの投稿で紹介した『鶴と亀 禄』について、まだまだ書いておきたいことがあったので追記としてこちらにも書きました。

こちらが『鶴と亀 禄』。

この本は作者・鶴と亀編集部の生まれ育った奥信濃を舞台に、そこに生きるじいちゃん・ばあちゃんをストリートカルチャー的な視点から映した写真集。地域おこし協力隊になった今、じわじわとこの本の面白さが沁みてきてます。

内容や著者の魅力については言うまでもなく素晴らしいです。全てのじいちゃん子・ばあちゃん子にささげたいくらい、奥信濃に住むじいちゃんばあちゃんへの愛とリスペクトを感じさせてくれます。

最近になってこの本を見返すことが増え、勝手にシンパシーを感じ始めた部分があります。

それは一度地元を離れてヨソへ行ったこと、そしてヨソの場所で培ってきた視点が地元の再認識・再発見に活きている、という点です(超身の程知らずを承知の上で書いてます…)。

まずは作者のひとり、小林直博さんのここまでを少し。

中学生の頃にヒップホップやストリートカルチャーにのめり込んだ小林さんは、高校卒業後に「大都会東京にイケてるものを求めて」奥信濃を離れ上京。東京をエンジョイする中、ある時雪の降る前に帰省した際に「子汚いMA-1を着て、カブでさっそうと走るじいちゃん」とすれ違います。この瞬間、じいちゃんの醸し出す「奥信濃スタイル」に心をぶち抜かれたんだそう。

そこから奥信濃にUターン。現在は農業などをやりつつ「奥信濃のリアルなストリートカルチャー」を「ここだから出来ること」として発信されています(めっちゃ要約しています。是非本書を読んでいただきたい)

個人的に気に入っているのは、やっぱりカブのじいちゃんとの衝撃的な出会い。これは、ずっと地元で生活していたらここを魅力として気付くことはまずなかったんじゃないかなと思いました。

私自身も高校卒業と同時に新潟を離れましたが、「一度離れると地元の良さに気付く」というのは本当で。

一旦離れたことによって凝り固まってた価値観とか世界観がリセットされ戻ってきて地元(正確には別地域だけど)を見ていると、新しい視点とかこれまでにはなかった視点からいろんなものを見つめ直すことができている、そんなふうに感じています。

『鶴と亀』で言えば「何もないクソ田舎」のイメージが、いったん奥信濃を離れたことによってリセットされたからこそ、カブに乗ったじいちゃんを見たときに「新しいもの」として認識できる。

DNAは地元民だけど、いい意味でソトモノの視点から地元を見ている。そしてその視点が地元の人へも新たな気づきを与えている。

外に出ることがいいとか悪いとかはなくて、単純にそんなところがいいなというか、協力隊としてこれからも大事にしたいスタンスなーと、この本を読んで思ったのでした。

それにしても、狙って地域おこしをしたんじゃなくて、「面白いことを始めた結果、地域おこしにつながっている」というのがこの本と作者のすごいところでありつつ羨ましいところです…!

まだ早いけど、退任したらそんなふうに地域と関われたら理想的ですね^ ^

この本への思いがアツすぎて自分でも何が言いたいのかよく分からなくなってますが、とにかくこの本良いですよ!!…ということが伝えたかったことでした。笑

気になった方はぜひ手に取ってみてください♪矢田屋に来たら読めます!

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