侗族の亮布

亮布(リャンプー)

つい先日、ついに新しい亮布をお迎えしました。

ここ1年くらい自力で亮布を入手する方法を探っていましたが、様々な面で私個人では入手が困難…

悩んだ末(悩んだ期間が長すぎましたが)、思い切ってバイヤーさん(なんというか、すんごく素敵な方)から入手しました。

今回お迎えした布は侗族(トン族)が作った亮布(「侗布 トンプ―」とも言う)だそう。

いつも苗族(ミャオ族)について書くことが多いですが、亮布を作るのは苗族(ミャオ族)だけではないのです。

そんなわけで今日は侗族につい書いていきます

侗族(トン族)とは?

侗族は貴州省・広西壮族自治区・湖南省あたりに暮らす少数民族のひとつで、貴州省の東南部では苗族の村と入り組んでおり、互いに住居を混在させながら暮らしています。

2族は近しい距離に存在し合っているため文化的共通点も多いのですが(アニミズム信仰などなど)、侗族ならではの信仰対象があり、薩歳(サスイ)と呼ばれる女神を各村で祀っています。

苗族の亮布も侗族の亮布も見た目はそっくりなのですが、彼らにとっては違いは明白なようです。見分けられる自信のない私はまだまだですね…(´・・`)

他にも侗族で有名なのは鼓楼、風雨橋と呼ばれる建造物。

肇興村の鼓楼

鼓楼は重要な行事が行われる広場であったり、日常的な休憩の場であったりと使われ方は色々ですが、侗族にとっての文化的シンボルです。釘を一本も使わずに建てるらしいのですが、、全ての鼓楼がそうなのかは定かでないです…笑

風雨橋は端的に言えば屋根付きの橋という感じです。ここでも村人たちが休憩していたり、お土産を売っていたりする様子をよく見かけました(写真は持ってませんでした)。

以上、ざっくりと侗族の概要についてでした。

侗族の亮布・「侗布(トンプ―)」の特徴

ここからは完全に私の個人的見解ですが…侗布はどこか均一的な質感、よりメタリックな印象が強いように思います(特に貴州東南部の侗布に関して)。

侗族の村のひとつ・占里村の侗布
こちらも侗族の村・肇興村の侗布

全ての侗族の村を回って確認できたわけではないですが、手持ちの侗布はつるんとした質感・見た目のものが多いです。ローラーでしっかり圧を掛けたかのような感じで、布表面の凹凸が少ないような感じ。

苗族は紋織りの布も亮布にすることが多いですが、侗族は平織のプレーンな亮布が多いように思っています。かといって紋織りの侗布もないわけではなく、やっぱりそれらもしっかりと圧がかかっている様子で凹凸感は比較的少ないです。

紋織りの侗布。凹凸感のなさ、、わかりづらいですね笑

叩くだけでこんなに布表面は均一になるものなの?といつも不思議に思わずにはいられませんが、侗布はつるっとしている分ブロンズ現象もしっかり現れており、メタリック度はかなり高めです。

苗族の亮布も侗族の亮布も大きな差はありませんが、やはり地域(村)ごとに特徴が強く表れており、一概に民族ごとで特徴づけるのはなかなか難しいのかもしれません。

光らない侗布を作る侗族もいる

上の方で「侗族の布はメタリックな印象が強い」などと言っておきながら、光らない侗布を作る侗族もいます。

作り手は貴州省のお隣、程陽三江侗族自治県に暮らしている程陽八寨風景区(名のとおり、わりとメジャーな観光地のようです…w)にいる侗族たちです。

光らない侗布」とはどのような布なのかというと、貴州の侗族が作るようなメタリック感はなく、とても濃く染めた藍染めの布、といったイメージです。色味は本当に紅く、光沢感のない亮布という感じ。

光ってないけど紅い!
紅い染料は植物の根っこから採取。

作り方はほぼ貴州の侗布と同じですが、ここに暮らす侗族はメタリックな侗布を好まず(むしろ嫌うくらい)、仕上がりは結構紅色味があり、手触りも貴州の亮布とはうって変わってやわらかいです。

貴州に暮らす侗族の布とこうも違うのは驚きでしたが、苗族との距離の近さや暮らしている場所の気候などが影響しているのではないかなと考えています。

これもまた個人的見解ですが、日照時間が短いところ(貴州省は中国一日照時間が短いと言われている)ほど亮布の光沢感が強く、逆に日照時間が長いところ(三江は貴州よりもたぶん長いはず)は光沢感をそんなに上げない、、そんな風に考えています

そんなわけで今日は侗族の侗布の話でした。書いてみて思うのはまだまだ侗布も知りたいことがたくさんあるということ。

どこでもドアがあればちゃちゃっと現地に足を運べるのに…といつも思います。笑

また渡航が叶うその日を夢見て、今は地道に亮布知識の取得に励もうと思います…!

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